
「hint」の創業者、「だから僕たちは、組織を変えていける」の著者
斉藤 徹 (とんとん) のプロフィール・ページです。
2016年、学習院大学の先生になりました。
「組織論」と「起業論」を専門として、学習院大学経済学部経営学科の客員教授に就任しました。
幸せ視点の講義がZ世代に響き、立ち見のでる熱中教室に。自主ゼミから「チームdot」が生まれました。
学習院大学の先生になってから「とんとん」と呼ばれてます😌
1961年 神奈川県川崎市生まれ
1985年 慶應義塾大学を卒業。日本IBM入社
1991年 フレックスファームを創業
2005年 ループス・コミュニケーションズを創業
2011年 『ソーシャルシフト』を上梓
2016年 学習院大学 経済学部 特別客員教授就任
2016年 「イノベーションチームdot」が誕生
2018年 ライフワークとして「hintゼミ」を創業
2020年 ビジネス・ブレークスルー大学 教授就任
2021年 最新書籍『だかぼく』を上梓
起業家・経営者・執筆家・研究者。組織論と起業論が専門。30年超の経営経験を「幸せ視点の経営」として集大成しました。世の中に幸せな笑顔を広げてたいと思って生きてます。
この幸せ視点の学びの場、hintは僕のライフワークです。
今はビジネス・ブレークスルー大学の先生です。
2020年からは、ビジネス・ブレークスルー大学の教授に就任しました。
学生の起業を本気で応援する講座「幸せ視点のイノベーション」などを担当しています。
モノづくりが好きで、本もいろいろ書いてます。
だから僕たちは、組織を変えていける
(クロスメディア・パブリッシング)
『だかぼく』は、やる気に満ちた、それでいてやさしい組織をどうつくるか、具体的な方法をお伝えしている本です。
組織のトップからボトムまで、今の組織に強い矛盾を感じており、組織のあり方を見直さざるを得ない状況になりました。
この書籍では「時代の変化」と「新しい組織のあり方」を明確にした上で、最新の組織論を体系化し、具体的に「明日から何をすれば組織は変わっていくのか」を、イラストやチャートを150点も差し込み、わかりやすく説きました。
特に、自分ひとりが動いても組織はどうにもならないと諦めていた人にとって「希望の書」となるように、一人から組織を変えていく実践的メソッドとしてパッケージしたのが特徴です。
斉藤徹のブログ「JOIN THE DOTS」
ビジネスで使える膨大な資料が整理された図書館のようなサイトです。リーダーシップ、イノベーション、業界破壊企業、Z世代などに関する多数の研究資料から大学講義資料、お勧め図書や動画にいたるので、すべてをオープンに公開。DLもできます。
人を幸せにする経営について
僕は二十九歳の時に大企業を飛び出して経営者になりました。
野心満々だった僕は、その時々で最先端の経営学を学び、現実の場で実践し、数多くの成功と失敗を繰り返してきました。製品市場マトリクス、競争の戦略、選択と集中、成果主義、時価総額の最大化 … もちろん成功ばかりではありません。何度も倒産の危機に追い込まれ、そのたびに貴重な学びを実体験してきました。
経営の本質とはなんでしょうか。これは僕のライフワークといってもよいテーマです。
経営とは、与えられた経営資源を最大限に活かし、企業に関わるすべての人たちの幸せを創りだすことだと僕は考えています。因果関係ではありますが、経営資源を最大限に活用することを経営の必要な条件、ステークホルダーの幸せを経営の十分な条件として考えることもできそうです。両方を満たした時に、企業は持続可能な成長ができます。この二つを満たせない経営は片手落ちで、いつしか社会から離脱していきます。生活者の監視が厳しくなるなかで、その傾向は日に日に増してきました。
では、使える経営資源は何か。ヒト・モノ・カネ・情報… ただしこれらは並列に考えるべきものではありません。今や少ないカネで起業できます。多くのモノはカネで買え、多くの情報はグーグルで検索できます。そもそも、カネもモノも情報も、ヒトが創りだしたものであり、ヒトこそが根源的な経営資源なのです。シンプルに言えば「経営とは、ヒトを活かし、ヒトを幸せにする」ことと言えるでしょう。
では、ヒトの原動力は何か。それは心です。心を無視してヒトを機械化する科学的管理法は百年前の産物です。外部からコントロールできないヒトの心と正面から向き合うこと。これが現代経営の課題です。人の心が求めているものは何でしょうか。たとえば富や成果、他人の評価などの欲求を刺激すればヒトは動きますが、そこから得られる満足は刹那的なもので、むしろ満たされない気持ち、他人をうらやむ気持ちを助長してしまいます。
アメとムチ、社内競争、成果主義。そのような外発的な動機づけは、結果として社員の嫉妬心をあおり、社内の信頼関係を削ぎ、縦割り組織の弊害を生みだしてゆきます。人が幸せになるとはどういうことか。それを深く考え、その実現に真摯に向きあうこと。それが経営者の責務ではないでしょうか。
僕は人間の幸せはふたつから成り立つと考えています。それは「心のやすらぎ」と「心の喜び」です。それらが満たされた時、社員は率先して協力しあい、顧客の笑顔に喜びを感じ、株主に長期的な利益をもたらす原動力となってくれるのです。
幸せの基礎となる「心のやすらぎ」を提供できるのは、社員間の競争ではなく、社員同士の共創を目指す組織です。信頼で結ばれた社員が助けあい、事前期待を上回る顧客経験を共創する組織。予算ではなく価値観、結果ではなくプロセス、規律ではなく自律を優先する社風を、経営者自らがリードしていく。経営者は一つひとつの意思決定や制度設計において、矛盾なく「社員の心のやすらぎ」を大切にする覚悟が必要となります。
くわえて「心の喜び」を提供するためには、社員の立場になり、社員の自己実現を真剣に支援することです。顧客の笑顔に無上の喜びを感じる社員もいれば、好きな仕事に没頭したい社員もいる。家族の幸せに自己実現を見出す社員もいれば、夢を持って起業を志す社員もいる。
社員一人ひとりに向きあい、それぞれの自己実現を本気で応援すること。経営者の決意が制度となり、社員に伝わり、組織文化となってゆきます。仮に将来、会社を卒業しても、彼ら彼女らは母校のように会社を暖かく支え続けてくれるでしょう。小さな会社ではもちろんのこと、実業を通じて一万人を超す大組織でも大いなる成果が得られることをコンサルティングを通じて体験してきました。
社員の「心のやすらぎと喜び」を追求する。それが顧客満足やイノベーションを生みだし、持続可能な事業成果となってゆく。限りない利益主義や拡大志向では決して得ることのできない、経営者の「心のやすらぎと喜び」がそこにあります。これらは、経営者として四半世紀にわたる実体験から得られた、揺らぐことのない僕の信念です。